いちのやでは、浮世絵の買取を行っております。
浮世絵は、大和絵の流れを汲み江戸時代に確立された絵画のジャンルのひとつで、当時の庶民の姿を描いている点が世界的にも珍しく、歴史的に貴重な資料でもあります。浮世絵といえば、美人画や風景画など色鮮やかな版画のイメージがあるかもしれませんが、挿絵や巻物に描かれた肉筆画や、一枚摺(墨摺絵)なども浮世絵として分類されます。独特な表現を持つ浮世絵は、海外の画家達にも影響を与え、日本以上にその芸術性が評価され、海外には数万点に及ぶ浮世絵コレクションを持つ美術館が多く存在します。
浮世絵のコレクターは国内外問わず大勢おり、買取市場においても常に注目されているジャンルです。
まれに旧家の蔵などから浮世絵が発見されることがありますが、保存状態などが良ければ思わぬ高額での取引が期待されます。いちのやでは、買取市場の相場をきちんと確認し、適切な価格での買取に努めております。
お手元のコレクションの整理や、ご家族が集めていた物など、浮世絵の売却を検討されている方は、ぜひ一度「いちのや」にご相談ください。
江戸時代以前、「浮世」は「憂世」と記されていました。
不安定な世の中であったため、浄土(あの世)に対して憂世(この世)は、つらく儚く、移ろいやすいものだというネガティブな意味で使われていました。
しかし江戸時代に入り、人々の暮らしも安定しはじめ、「浮き浮きと毎日を暮らそう」という明るい意思が芽生え、「浮世」という言葉へと変化していきました。
次第に今様・当世風というような意味へと変化し、絵師たちも人々の日常生活をとらえた風俗画を描くようになり、それが「浮世絵」へと展開していったのです。
浮世には「現在、今」という意味があり、浮世絵は描かれた江戸時代の風景や人々の様子も分かる歴史的資料とも言えるのです。
浮世絵は大和絵の流れを汲み、江戸時代初期に確立された絵画様式です。
表現の特徴としては、はっきりとした図柄に大胆な構図、影の表現を持たない事や、遠近法も取り入れられ、中にはわざと遠近をズラした表現を持つ浮世絵もあります。
初期の浮世絵は肉筆画か、一色刷りの木版画である墨摺絵でした。特に菱川師宣の描いた本の挿絵は人気を集め、一枚絵としてひとつの作品として描かれるようになりました。
次第に墨摺絵に彩色を施した丹絵(たんえ)や紅絵(べにえ)が生まれましたが、筆で色付をしていた為、大量生産には向きませんでした。ちなみに、菱川師宣の代表作である「見返り美人図」は肉筆で描かれた浮世絵です。
江戸時代中期には、鈴木春信らによって東錦絵(吾妻錦絵)と呼ばれる多色摺りの技法が編み出されました。
多色摺りの技法が確立された背景には、「見当」と「紙」が鍵となりました。
他の色を摺る際にズレを防ぐ為、版木に見当と呼ばれる印を付ける工夫がなされた事に加え、何度も色を重ねて剃るのに耐えられる強度をもった紙が普及したことによって、東錦絵は誕生したのです。
さらに、下絵師・彫師・摺師の分業制が整った事も東錦絵が広まった要因です。
この東錦絵は江戸絵とも呼ばれ、江戸の土産物として人気を博しました。
江戸時代後期頃には葛飾北斎による「富獄三十六景」、そして歌川広重による「東海道五十三次」が出版され、名所絵という風景画のジャンルが、美人画や役者絵というそれまでの王道に加えて注目を集めました。
江戸末期から明治の始め頃になると、「洋赤」と呼ばれた海外の安価な染料が使われ、同じく輸入染料のベロ藍とも呼ばれるプルシアンブルーと相まって、その毒々しいほどの発色により新たな表現が加わりました。
プルシアンブルーは、昨今は北斎ブルーなどとも呼ばれるほど浮世絵にとって重要な色となりました。
また、文明開化によってさらに様々な題材が描かれるようになりました。開花絵や横浜絵などと呼ばれるものや、急激に変化していく世の中の動きを描いた物などもありました。
社会が変動していく中で、新聞や写真、石版画など新たな様式が取り入れられ、浮世絵は次第に衰退し、浮世絵師たちは日本画や挿絵画家へと姿を変えていくしかなく、明治40年(1907年)には、浮世絵はほとんど出版されなくなってしまいました。
姿を消した浮世絵を取り戻そうと、大正から昭和にかけて活躍した川瀬巴水や伊東深水らは、新版画と呼ばれる浮世絵の技法を用いた木版多色摺りの作品を多く残したことで知られています。
現在では、国内でも浮世絵だけの展覧会が行われるなど、国内外からも再び注目を集め、買取市場などでも頻繁に取引されているお品物のひとつです。
浮世絵は、大きく分けて肉筆画と版画の2種類があります。
肉筆画は画材に直接描かれたもので、いわゆる一点ものです。
さらに、屏風絵、絵巻、画帖、掛け物(掛軸)、扇絵、絵馬、画稿(墨一色で描いた版画の下描き)、版下絵(画稿をさらに決定稿へ清書したもの)の8種類に大別されますが、名のある絵師による肉筆画は当時も高価な物でした。
木版画は、一色摺りの墨摺絵や多色摺りの東錦絵などがあり、これらは大量に摺る事ができたので、安価で手に入るため、庶民も簡単に手にすることが出来ました。
誰もが手に入れられるほど生活に馴染んでいた為に、海外への輸出品の緩衝材としても使われ、それがきっかけで海外へ浮世絵が知られることになりました。
浮世絵は分業制で作られていました。
絵師(下絵師/画工):浮世絵の元になる下絵を描く
彫師(彫工):下絵を版木に彫る
摺師(摺工):版木を使って彩色して紙に刷る
さらに、版元と呼ばれる問屋が職人達を取りまとめ、今で言う出版社・プロデューサーの様な役割を担っていました。
ひとつの作品が完成するまでには、何度も直しが入ったり微調整などが行われており、妥協しない職人たちの高い技術と緻密な作業の積み重ねによって作り上げられていました。
浮世絵は風俗画であり、その題材は多種多様なものでした。
美人画/役者絵/芝居絵/花鳥画/戯画/鳥羽絵/漫画/肖像画/名所絵/春画/風景画/風物画/判じ絵/橋絵/職人絵/食事絵/着物柄絵/武者絵/開化絵/横浜絵など。
現存する浮世絵の4分の3が海外にあると言われるほど世界中にコレクターがいる浮世絵は、江戸時代では庶民の娯楽として蕎麦一杯と同じくらいの安価で出回っていました。
海外へ輸出する際の緩衝材として使用されていた葛飾北斎の浮世絵を見つけたフランスの画家、ブラックモンは、浮世絵に魅せられ、仲間の画家達に見せた事で意図せず海外で注目を浴びることになりました。
一躍脚光を浴びた「ジャポニスム」は、モネやマネ、エドガー・ドガ、ゴーギャンなどの著名な画家達に影響を与えました。その中でも筋金入りの浮世絵好きで知られるゴッホは、熱心な収集家でもあり、自身の作品にも浮世絵を登場させています。ゴッホ美術館には、ゴッホとその弟テオが所有していた計477点もの浮世絵が収蔵されています。
● 浮世絵師
菱川師宣/葛飾北斎/東洲斎写楽/歌川広重/歌川国芳/喜多川歌麿/月岡芳年/川瀬巴水/吉田博/土屋光逸/奥村政信/西川祐信/宮川長春/磯田湖龍斎/歌川国貞/歌川豊国/織田一磨/落合芳幾/恩地孝四郎/懐月堂安度/勝川春英/勝川春章/勝川春亭/鏑木清方/川上澄生/渓斎英泉/小林清親/鈴木春信/鳥文斎栄之/豊原国周/鳥居清長/鳥居清信/橋口五葉/平塚運一/前川千帆/水野年方/山本鼎/楊洲周延/中川木鈴など
● 版元
アダチ版画研究所、悠々洞出版、土井版画店、渡辺版画店、芸艸堂、京都版画院、高見澤木版社、日本版画研究所、まつ九、西宮書院、馬場静山堂、大江戸木版社
保永堂/渡邊庄三郎(渡邊木版画)/松会三四郎/鱗形屋三左衛門/伊賀屋勘右衛門/丸屋九左衛門/鶴屋喜右衛門(鶴屋)/奥村屋政信(鶴寿堂)/西宮新六(翫月堂)/和泉屋市兵衛(甘泉堂)/西村屋与八/蔦屋重三郎/丸屋甚八/三河屋利兵衛/山口屋藤兵衛/山口屋忠助/三平/伊場屋仙三郎/伊場屋久兵衛(伊場仙・伊場久)/有田屋清右衛門/伊勢屋利兵衛/魚屋栄吉(魚栄)/上村与兵衛(上ヨ・上村)/加賀屋吉兵衛/亀屋岩吉/川口屋正蔵/蔦屋吉蔵/西村屋祐蔵/藤岡屋彦太郎/藤岡屋慶次郎など
※上記はごく一部です。この他の浮世絵も買取しておりますので、お気軽にご相談ください。
● 浮世絵師
浮世絵を売る際には、その作者(浮世絵師)が誰なのかということが重要と言えます。
買取市場においても、有名な絵師による作品は需要が高く、査定額も高額になりやすいです。
しかし、江戸時代には浮世絵師は累計2000人近くもいたと言われています。その中でも生没年や作画期が明確な浮世絵師は300名ほどと言われていますが、それだけでも相当数の作品が存在します。つまり、無名の浮世絵師の作品も多いという事です。
歌川国芳や葛飾北斎など、世界的に有名な浮世絵師の版画作品は、市場でもかなりの高額で取引されており、複製品であっても数万円で取引が行われています。
無名の浮世絵師の作品であれば、基本的には1枚では値が付きにくく、数枚~数十枚まとめての買取りとなるのが一般的です。
いちのやでは無名の浮世絵作品でも丁寧に査定し、価値を見極め買取いたします。
● 状態
浮世絵は紙製品ですので、保管状態が悪いと変色や虫食いなど、傷んでしまいます。
傷んでしまった作品は査定にも影響がでますので、長期間保管する場合には、桐の箱などに寝かせる状態で入れたり、気温・湿度の変化が少ない場所で保管したりするなど工夫が必要です。
どんなに良い作品でも、日焼けでの変色や、破れなどがあってはその価値は激減してしまいます。
大切なお品物を適切な価格で売却するためにも、保存状態にはお気を付けください。
いちのやでは、浮世絵のほかにも、木版画や日本画、掛け軸など様々な美術品の買取を行っております。
浮世絵のほかにも売却を検討しているお品物があれば、浮世絵の買取と同時に一度の訪問で売却いただけます。ぜひ、ご検討ください。
買取品について何かご不明な点や質問などございましたら、お気軽に「いちのや」までご相談ください。
いちのやは、出張費・査定費などの手数料をすべて無料で承っております。
宅配買取は全国どこからでも送料無料で利用できます。
経験豊富な査定士による確かな鑑定力と、お品物に合わせた独自の販売ルートを豊富に持っているため、どこよりも高く買い取る自信があります。
いちのやは、買取品目がどこよりも豊富です。様々なお品物を見てきた目利きだからこそ、他店では取扱いできないお品物も買取可能です。
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