寄木細工について

● 江戸時代から続く伝統

江戸時代後期に、箱根・畑宿出身の石川仁兵衛が寄木細工の技術を静岡から持ち帰ったことから箱根寄木細工は始まりました。元々箱根では指物細工や挽物細工など木工品を制作していたこともあり、寄木細工もすぐに馴染み、発展を続けました。下田や横浜の開港により世界へも進出し、1904年のセントルイス万国博覧会に寄木細工が出品されたこともありました。
戦時中など、一時衰退もみられましたが、今では日本だけでなく海外からも注目を集め、箱根を代表する土産物として知られています。1984年に「伝統的工芸品」に指定されました。

● 天然の色からなる寄木の製法

寄木細工の色鮮やかな木材の色は、木材の持っている本来の色で、だからこそ、自然の美しさとぬくもりを感じられる製品に仕上がるのです。
様々な色や木目の材木を組み合わせ、幾何学文様を作った板を「種板」と呼び、この「種板」を特殊な鉋で薄く削り出した「ズク」と呼ばれるものを、箱など木製品の表面に貼りつけて仕上げた製品を「ズク貼り」と言います。また、「種板」をそのまま加工した製品を「無垢作り」と言います。

使われる木材例

白色系：みずき、こぶし
黄色系：にがき、うるし、モビンギ
茶色系：くす、かつら、ウォールナット
灰色系：ほおのき
黒色系：かつら神代、くり神代
緑色系：ほおのき
赤色系：レンガス、ナトー
紫色系：パープルハート

模様の種類

亀甲/市松/七宝矢羽/麻の葉/枡/切りちがい枡/菱万字(ひしまんじ)/波(菱青海波・ひしせいかいは)/弁慶/奴/縞/紗綾型(さやがた)など

寄木細工の文様は、年代や工房などによって異なる物もありますが、50～60種類あると言われており、さらに色の組み合わせによって無数の組み合わせへと広がります。
現代風にアレンジされたものや、新たな工夫が施され、さらに種類は増えているそうです。

買取品一例

からくり細工/からくり箱/秘密箱/仕掛け収納箱/からくり箪笥/セイラー万年筆(SAILOR)/小箪笥/文箱/菓子鉢/盆/トレー/茶筒/棗など

● 買取強化作家

本間昇/金指勝悦/露木清勝/石川一郎/亀井明夫(安兵衛)/二宮義之/鈴木堅次/神原和夫/露木清高/露木孝敬/本間博丈/小島勲/小島裕平/雑木囃子など

寄木細工買取について

寄木細工を売却するときは、どのような製品なのかが重要です。
人気のお品物は、それだけで査定額に違いがあり、その中でさらに人気の職人や珍しい文様など、様々な要素を考慮して査定額を決定します。

● 寄木細工は箱が人気

寄木細工の中で特に人気のお品物は「箱」です。
秘密箱やからくり箱、細工箱などと呼ばれる不思議な箱は、開けるために何回か仕掛けをズラして(ときには戻して)開けるという特殊な箱で、寄木細工を代表するお品物であり、買取市場でも人気のお品物です。

● 作家物

一般的に人気の高い製品は秘密箱やからくり箱ですが、他にも盆や小箪笥など高価買取が期待できるお品物もございます。中でも亀井明夫や二宮義之といった人気の作家による作品は、お品物の状態にもよりますが比較的安定した高価格での買取が見込まれます。箱やからくりの説明書がある場合は、一緒に査定に出してください。

木工芸品の買取はいちのやへお任せ下さい

いちのやでは箱根寄木細工だけでなく、木象嵌の製品も買取しております。
寄木細工と同じく小田原・箱根地方で盛んに作られている木象嵌のお品物は、富士山や七福神など縁起の良いモチーフも多く、人気のお品物です。また、海外でも木象嵌を用いた製品は色々と作られており、エミール・ガレのデザインしたテーブルやアート作品は世界中から愛されているお品物です。他にも、イタリアやスペイン製の木象嵌のサイドテーブルやチェストなども買取しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
買取に関してご不明な点や質問などございましたら、お気軽に「いちのや」までお問い合わせください。

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